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どうも、こんばメタル。
今回は「ヘヴィメタルのモチーフ編」と題して、
常々ヘヴィメタルを信仰するアーティストたちが取り入れることの多い題材について紹介したいと思います。
今回は、動物編。
今回は「ヘヴィメタルのモチーフ編」と題して、
常々ヘヴィメタルを信仰するアーティストたちが取り入れることの多い題材について紹介したいと思います。
今回は、動物編。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヘヴィメタルが得意とする攻撃的かつ野蛮な音楽は、そのモチーフとして、人知を越えたな力や肉体の強靭さ、精神がつかさどる知性や権力、そして存在の支配力などを象徴し、自身のバンドサウンドとしてこれらを表現するためにいくつかのスタイルを構築してきました。
それはヘヴィメタルから派生した他のジャンルにも同様で、彼らの多くは西欧などに古くから伝わる神話、民謡、伝承といったいわゆる「ファンタジー」からこうした題材を掘り起こしました。
とくにデスメタルやパワーメタル、ヴァイキングメタルにはこうした傾向が強いのですが、中には自らのバンド名に掲げちゃったりメンバー揃ってお化粧をして毎回同じライブパフォーマンスをしちゃったりする熱い(痛くないよ?)ヤツらも数多くいるのです。
まあ彼らの音楽が社会におけるさまざまな問題を指摘し(80年代)、大きなうねりとなってヨーロッパとアメリカを中心に過激なムーヴメントを引き起こし(90年代)、近年はより多くのジャンルやバンドとして世を駆け巡っているのは確かですが、
結局のところ、まだまだヘヴィメタルの持つ音楽の素晴らしさやそれへの理解はメジャーではありません(‥と個人的に思っています)。
そこで、もはやヘヴィメタル界隈では十八番となっているいくつかの題材について、基本的な理解を含めてチラホラ紹介していきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『竜:ドラゴン』
古来よりキリスト教圏では悪魔の化身であり、神に対峙する邪悪な象徴とされてきました。
その存在にはいくつかの種類があり、たとえば古代ギリシャ神話では大蛇やトカゲ、ワニといった水辺に棲むものを含む巨躯な怪物の総称としてドラゴンを捉えていたのに対し、イングランドでは国(当時“国”という概念があったかは不明ですが)や騎士の「守護神」、またゲルマン民族の間では大蛇に近い姿の「サーペント」とされていました。
かたや名剣バルムンクで邪悪な竜を討ったジークフリートのお話では、不死身の強敵とされその血をすすると英雄になれるという効能があるとされましたが、やはり「ドラゴン」という存在は総じて邪悪、破壊、異形を象徴するものであったようです。かの黙示録に登場するリヴァイアサンなんかもそうです。
ちなみにヘヴィメタルの多くは西欧に発祥したものなので、のちに生まれた東欧神話に登場する「東欧竜」とはまったく別のものです。中国とかを見ても形が蛇っぽくなっていて記し方も竜ではなく「龍」とするらしいです。
そしてドラゴンと聞いて真っ先に挙がるのが、イタリアの巨匠Rhapsody。
Legendary Tales (97年)
Symphony of Enchanted Lands (98年)
Dawn of Victory (00年)
Power of the Dragonflame (02年)
Symphony of Enchanted Lands II - The Dark Secret (04年)
彼らは2006年にRhapsody of Fireに改名した後も、ドラゴンに秘められし力を迫力あるギターサウンドとキーワークによって誇示し続けています。まさにドラゴンありきのシンフォニックメタルバンド。すべてがドラゴン。
また元祖アメリカン・バトル野郎Manowarによる人間vsドラゴンは、鋼の鎧を纏ったメタルウォーリアーが勝利しています。
The Triumph of Steel (92年)
かのGrave Diggerもジークフリート伝説を儚く謳っています。
Rheingold (03年)
Dragonhammer‥じゃなくてドラゴンの血を欲するナイト(騎士)の戦い。武器はもちろん黒剣(ブラックブレイド)です。
Blood of the Dragon (01年)
フィンランドのBattlelore。前作よりもドラゴンが若干やられてますw
Sword's Song (03年)
ドラゴンスレイヤーと言えば彼らのラスト盤。人間なんかに負けるな、ドラゴン!
Dragonslayer (08年)
解散してしまったDragon Lord。スペインにも邪悪な竜に呪われし時代がありました。
Through the Time (06年)
イギリスの新星DragonForceが描くのは炎と氷の世界に佇む竜のフォース。
Valley of the Damned (03年)
スウェーデンの地でついにドラゴンの楽園は沈んでしまった‥。
The Battle of the Ivory Plains (01年)
うーん、こうして挙げると切りがない‥と思うのは僕だけでしょうか?曲で言えばDark Moorの「Shadowland」やDioの「Killing the Dragon」、Riotの「Sons of Society」、Skylarkの「Dragon’s Secrets」、さらにオーストリアのブラックメタルバンドSummoningにも出てきますが、おおむね取り上げられているのは強大なドラゴンが持つ力への畏怖と憧れ、魅了、もしくはそれへの人間による対峙と支配‥といったものに二分されています。
ただ、やはりどれを聞いても伝説の存在であるドラゴンの力はすさまじく、ドラゴンライダーやドラゴンスレイヤーのように自由に彼らを支配し手中に収める人間には特別な力(すなわち神がかった武器)が必要だったようです。日本のアニメやゲームの世界でもドラゴンは最強の敵という設定が多いですね。
まあそれを非力な人間が寄ってたかって殺してしまえ、っていうのも何だか悲しい気もしますが。
~~~~~~~~~~~~~~~
『蛇:スネーク』
ドラゴンほど強力ではないにしても、蛇は古代より西洋文化では災いの元、悪魔の異称として恐れられてきました。毒蛇や大蛇の容姿で語られることの多い彼らは、神話の世界ではサタン(悪魔)そのものとされた一方で、ギリシャ神話では「ウロボロス」や「アペス」、「ヨルムンガンド」、また北欧神話では「シーサーペント(海大蛇)」、「ヒュドラ」といった名で語られヘヴィメタルにおいても常に重要な負の象徴とされてきました。
その手足のない摩訶不思議な身体や脱皮をするという点から、モチーフはより「死」に近い輪廻転生や不老不死などを象徴するものとして、存在の完全性、死後の世界、永劫回帰、そして錬金術の分野でもその思想が用いられ、人々はそのシンボルにある種の「美」を感じていたのかもしれません。
ともあれドラゴンと同様に人間の狩りの対象として見なされることは少なく、個人的感覚では異形の存在というよりはより純粋に悪や死に近いイメージがあります。
そんな彼らをモチーフとしたのが、アメリカのテクニカルデスメタル野郎Nile。
Amongst the Catacombs of Nephren-Ka (98年)
Black Seeds of Vengeance (00年)
In Their Darkened Shrines (02年)
Annihilation of the Wicked (05年)
Nileは死の象徴として蛇をジャケットに掲げることが多くありましたが、たとえば2000年の「Black Seeds of Vengeance」の中では死のほかに疫病や拷問による人間の苦痛と、それを超越した存在である大蛇を謳っています。
Nileらしいエスニックなアレンジを加えたメロディと怒涛のブラストビートによる暴虐な音楽性は、エジプトの蛇崇拝のシンボルであるクヌム(女神)などを取り上げています。単にカール・サンダース(v)がエジプトメイニアだということはさておき‥w
またイギリスのエピック・ブラックメタルバンドBal-Sagothは闇の世界で蛇を召喚しています。ドラゴンの面影もちらっと登場。
A Black Moon Broods Over Lemuria (95年)
アメリカのDanzigはメデューサの頭の上で転がる人間の性について謳う。
Circle of Snakes (04年)
こちらはGod Dethronedの讃歌。人間の魂を操る蛇神に捧げています。
Bloody Blasphemy (99年)
今は亡きAt the Gatesが奏でる破壊と暴力の精神闘争にも蛇が。
Slaughter of the Soul (95年)
苦痛を見つめる蛇の目。ボーカルはIron Maiden初期2作でボーカルを務めたポール伯父。
Feel My Pain (98年)
ネオクラシカル・プログレのSymphony Xの新作は蛇の接吻による破壊と新たな世界の創造をうたう。
Paradise Lost (07年)
スウェーデンのDevianは大罪を受け入れた死とそこに佇むイコンを謳っています。
Ninewinged Serpent (07年)
路線は違いますがカナダのAnnihilatorの「Set the World on Fire」では囚われのガラスに入れられた蛇を嘲り、非メタル分野ではArcanaも蛇の暗示する死を美しく花開かせています。またAmon Amarthの「Twilight of the Thunder God」では雷神トールと蛇神ヨルムンガンドが猛々しく戦っている様子が描かれています。
蛇は恐ろしい姿・顔つきから死や苦痛を表すモチーフとされてきましたが、古来からビシュヌやオーディンといった負のイメージを持つ神々と密接に結びついていたりと、人間に身近な存在であるのかそうでないのかがいまいちはっきりしませんが、とにかくドラゴンと並ぶ禍々しい存在とされてきたのは確かです。
~~~~~~~~~~~~~~~
『狼:ウルフ』
狼と言えば何ももののけ姫だけではありません。北方では大きな山猫や狼の姿をした「フェンリル」(ジェヴォーダンの獣という映画を見ましたか?)などの存在を記した神話がありますが、一般的に狼は自然の守り神で、人界から遠く離れた場所に暮らす神秘的な存在(=もののふ)の一つとされてきました。たとえば山崩れや雪崩などの天災は自然の神の怒りに触れたために起こるということを聞きますが、山の主である彼らは人間にとっては恐怖の象徴でもありました。
ヘヴィメタルの世界では、これに加えて人狼(ウェアウルフ)などの伝説が中世~近代の西欧に存在しており、狼はブラックメタルで良く用いられる「ヴァンパイア(=吸血鬼)」と並ぶモチーフとされてきました。また日本書記では狼を山の神(貴神)として記録しており、彼らを自然一体とした存在として畏怖の対象とすることはヨーロッパに暮らす人々にも共通の感覚だったのかもしれません。
狼と言えば、個人的にまず挙がるのがフィンランドのブラックメタルバンドCatamenia。
Halls of Frozen North (98年)
Eternal Winter's Prophecy (00年)
Eskhata (02年)
Chaos Born (03年)
Winternight Tragedies (05年)
今にも遠吠えが聞こえてきそうなほどのオオカミ愛にメロウな哀愁ブラックメタルが冴えわたっています。これにはモロもびっくり。でも今年から狼ジャケットではなくなってしまったので、モロもブチ切れ必須です。
ほかには、もはやメタルではなくなってしまったUlverの3rd。強烈なノイズと一緒に。
Nattens Madrigal - Aatte Hymne til Ulven i Manden (97年)
こっちはポーランドのWerewolf。冬の満月と一緒に。
The Temple of Fullmoon (05年)
Charonのドラム&元ギタリストによるメロディックブラックWolfheartは夜に佇む狼をうたう。
Cold Breath (99年)
Toxic Holocaustの狼(というより野犬?)はどうやら墓場から来たらしい。
An Overdose of Death... (08年)
AlcestやPeste Noireでお馴染Neigeが入る前は狼がこんなにいました。
As the Wolves Gather (94年)
さらにNightwishの「Dark Passion Play」中の7 Days to the Wolvesでも狼への愛が謳われています。またドイツの古巣パワーメタルバンドAxxisの「The Big Thrill」では、人狼そのものを一曲で表しています。Megadethの「Cyptic Writings」は狼男ならぬ狼女をすべての邪悪なるものの母として直情的に歌い上げていますね。
Winterwolfの「Cycle of the Werewolf」では狼皮のマスクにされてしまったり、ブラックメタルの始祖Venomの「Cry Wolf」では命を刈り取る死神として崇められるなど、狼の捉え方もバンドによってさまざまですが、多くの場合は雪や森、満月、そして人間の内面に潜む孤独や怒りといった感情とともに用いられています。
『その他:おもしろ編』(ジャケットのみ)
暇つぶしにちょっとだけ。
シロナガスクジラさん(クラーケン)
Ahab - The Call of the Wretched Sea (06年)
ヒツジさん
Goatsnake - Trampled Under Hoof (04年)
おサルさん
Transcending Bizarre? - The Serpent's Manifolds (08年)
ライオンの捕食シーン
Sentenced - Amok (95年)
キャプテン(死人)
Alestorm - Captain Morgan's Revenge (08年)
たまねぎ星人
Heathen - Breaking the Silence (87年)
一年間寝てない人
Catafalc - Still Suffering (08年)
三年間風呂入ってない変態
Iron Maiden - Iron Maiden (80年)
まあ、適当にこんなところで終わりにしましょう。
以上、本日のうみ言:
「ヘヴィメタルの題材に触れよう」
アルバムや曲の背景にあるモチーフや物語などを知っておくと、聴く楽しみが倍増します。ヘヴィメタルの題材となるものは他にもありますが、ひとまずこの三つを知っておくとヘヴィメタルの音楽や個々の楽器を聴く際のイメージが浮かびやすいと思います。
そのほかについては、また次回。
‥では、おやすみなさい。
ヘヴィメタルが得意とする攻撃的かつ野蛮な音楽は、そのモチーフとして、人知を越えたな力や肉体の強靭さ、精神がつかさどる知性や権力、そして存在の支配力などを象徴し、自身のバンドサウンドとしてこれらを表現するためにいくつかのスタイルを構築してきました。
それはヘヴィメタルから派生した他のジャンルにも同様で、彼らの多くは西欧などに古くから伝わる神話、民謡、伝承といったいわゆる「ファンタジー」からこうした題材を掘り起こしました。
とくにデスメタルやパワーメタル、ヴァイキングメタルにはこうした傾向が強いのですが、中には自らのバンド名に掲げちゃったりメンバー揃ってお化粧をして毎回同じライブパフォーマンスをしちゃったりする熱い(痛くないよ?)ヤツらも数多くいるのです。
まあ彼らの音楽が社会におけるさまざまな問題を指摘し(80年代)、大きなうねりとなってヨーロッパとアメリカを中心に過激なムーヴメントを引き起こし(90年代)、近年はより多くのジャンルやバンドとして世を駆け巡っているのは確かですが、
結局のところ、まだまだヘヴィメタルの持つ音楽の素晴らしさやそれへの理解はメジャーではありません(‥と個人的に思っています)。
そこで、もはやヘヴィメタル界隈では十八番となっているいくつかの題材について、基本的な理解を含めてチラホラ紹介していきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『竜:ドラゴン』
古来よりキリスト教圏では悪魔の化身であり、神に対峙する邪悪な象徴とされてきました。
その存在にはいくつかの種類があり、たとえば古代ギリシャ神話では大蛇やトカゲ、ワニといった水辺に棲むものを含む巨躯な怪物の総称としてドラゴンを捉えていたのに対し、イングランドでは国(当時“国”という概念があったかは不明ですが)や騎士の「守護神」、またゲルマン民族の間では大蛇に近い姿の「サーペント」とされていました。
かたや名剣バルムンクで邪悪な竜を討ったジークフリートのお話では、不死身の強敵とされその血をすすると英雄になれるという効能があるとされましたが、やはり「ドラゴン」という存在は総じて邪悪、破壊、異形を象徴するものであったようです。かの黙示録に登場するリヴァイアサンなんかもそうです。
ちなみにヘヴィメタルの多くは西欧に発祥したものなので、のちに生まれた東欧神話に登場する「東欧竜」とはまったく別のものです。中国とかを見ても形が蛇っぽくなっていて記し方も竜ではなく「龍」とするらしいです。
そしてドラゴンと聞いて真っ先に挙がるのが、イタリアの巨匠Rhapsody。
彼らは2006年にRhapsody of Fireに改名した後も、ドラゴンに秘められし力を迫力あるギターサウンドとキーワークによって誇示し続けています。まさにドラゴンありきのシンフォニックメタルバンド。すべてがドラゴン。
また元祖アメリカン・バトル野郎Manowarによる人間vsドラゴンは、鋼の鎧を纏ったメタルウォーリアーが勝利しています。
かのGrave Diggerもジークフリート伝説を儚く謳っています。
Dragonhammer‥じゃなくてドラゴンの血を欲するナイト(騎士)の戦い。武器はもちろん黒剣(ブラックブレイド)です。
フィンランドのBattlelore。前作よりもドラゴンが若干やられてますw
ドラゴンスレイヤーと言えば彼らのラスト盤。人間なんかに負けるな、ドラゴン!
解散してしまったDragon Lord。スペインにも邪悪な竜に呪われし時代がありました。
イギリスの新星DragonForceが描くのは炎と氷の世界に佇む竜のフォース。
スウェーデンの地でついにドラゴンの楽園は沈んでしまった‥。
うーん、こうして挙げると切りがない‥と思うのは僕だけでしょうか?曲で言えばDark Moorの「Shadowland」やDioの「Killing the Dragon」、Riotの「Sons of Society」、Skylarkの「Dragon’s Secrets」、さらにオーストリアのブラックメタルバンドSummoningにも出てきますが、おおむね取り上げられているのは強大なドラゴンが持つ力への畏怖と憧れ、魅了、もしくはそれへの人間による対峙と支配‥といったものに二分されています。
ただ、やはりどれを聞いても伝説の存在であるドラゴンの力はすさまじく、ドラゴンライダーやドラゴンスレイヤーのように自由に彼らを支配し手中に収める人間には特別な力(すなわち神がかった武器)が必要だったようです。日本のアニメやゲームの世界でもドラゴンは最強の敵という設定が多いですね。
まあそれを非力な人間が寄ってたかって殺してしまえ、っていうのも何だか悲しい気もしますが。
~~~~~~~~~~~~~~~
『蛇:スネーク』
ドラゴンほど強力ではないにしても、蛇は古代より西洋文化では災いの元、悪魔の異称として恐れられてきました。毒蛇や大蛇の容姿で語られることの多い彼らは、神話の世界ではサタン(悪魔)そのものとされた一方で、ギリシャ神話では「ウロボロス」や「アペス」、「ヨルムンガンド」、また北欧神話では「シーサーペント(海大蛇)」、「ヒュドラ」といった名で語られヘヴィメタルにおいても常に重要な負の象徴とされてきました。
その手足のない摩訶不思議な身体や脱皮をするという点から、モチーフはより「死」に近い輪廻転生や不老不死などを象徴するものとして、存在の完全性、死後の世界、永劫回帰、そして錬金術の分野でもその思想が用いられ、人々はそのシンボルにある種の「美」を感じていたのかもしれません。
ともあれドラゴンと同様に人間の狩りの対象として見なされることは少なく、個人的感覚では異形の存在というよりはより純粋に悪や死に近いイメージがあります。
そんな彼らをモチーフとしたのが、アメリカのテクニカルデスメタル野郎Nile。
Nileは死の象徴として蛇をジャケットに掲げることが多くありましたが、たとえば2000年の「Black Seeds of Vengeance」の中では死のほかに疫病や拷問による人間の苦痛と、それを超越した存在である大蛇を謳っています。
Nileらしいエスニックなアレンジを加えたメロディと怒涛のブラストビートによる暴虐な音楽性は、エジプトの蛇崇拝のシンボルであるクヌム(女神)などを取り上げています。単にカール・サンダース(v)がエジプトメイニアだということはさておき‥w
またイギリスのエピック・ブラックメタルバンドBal-Sagothは闇の世界で蛇を召喚しています。ドラゴンの面影もちらっと登場。
アメリカのDanzigはメデューサの頭の上で転がる人間の性について謳う。
こちらはGod Dethronedの讃歌。人間の魂を操る蛇神に捧げています。
今は亡きAt the Gatesが奏でる破壊と暴力の精神闘争にも蛇が。
苦痛を見つめる蛇の目。ボーカルはIron Maiden初期2作でボーカルを務めたポール伯父。
ネオクラシカル・プログレのSymphony Xの新作は蛇の接吻による破壊と新たな世界の創造をうたう。
スウェーデンのDevianは大罪を受け入れた死とそこに佇むイコンを謳っています。
路線は違いますがカナダのAnnihilatorの「Set the World on Fire」では囚われのガラスに入れられた蛇を嘲り、非メタル分野ではArcanaも蛇の暗示する死を美しく花開かせています。またAmon Amarthの「Twilight of the Thunder God」では雷神トールと蛇神ヨルムンガンドが猛々しく戦っている様子が描かれています。
蛇は恐ろしい姿・顔つきから死や苦痛を表すモチーフとされてきましたが、古来からビシュヌやオーディンといった負のイメージを持つ神々と密接に結びついていたりと、人間に身近な存在であるのかそうでないのかがいまいちはっきりしませんが、とにかくドラゴンと並ぶ禍々しい存在とされてきたのは確かです。
~~~~~~~~~~~~~~~
『狼:ウルフ』
狼と言えば何ももののけ姫だけではありません。北方では大きな山猫や狼の姿をした「フェンリル」(ジェヴォーダンの獣という映画を見ましたか?)などの存在を記した神話がありますが、一般的に狼は自然の守り神で、人界から遠く離れた場所に暮らす神秘的な存在(=もののふ)の一つとされてきました。たとえば山崩れや雪崩などの天災は自然の神の怒りに触れたために起こるということを聞きますが、山の主である彼らは人間にとっては恐怖の象徴でもありました。
ヘヴィメタルの世界では、これに加えて人狼(ウェアウルフ)などの伝説が中世~近代の西欧に存在しており、狼はブラックメタルで良く用いられる「ヴァンパイア(=吸血鬼)」と並ぶモチーフとされてきました。また日本書記では狼を山の神(貴神)として記録しており、彼らを自然一体とした存在として畏怖の対象とすることはヨーロッパに暮らす人々にも共通の感覚だったのかもしれません。
狼と言えば、個人的にまず挙がるのがフィンランドのブラックメタルバンドCatamenia。
今にも遠吠えが聞こえてきそうなほどのオオカミ愛にメロウな哀愁ブラックメタルが冴えわたっています。これにはモロもびっくり。でも今年から狼ジャケットではなくなってしまったので、モロもブチ切れ必須です。
ほかには、もはやメタルではなくなってしまったUlverの3rd。強烈なノイズと一緒に。
こっちはポーランドのWerewolf。冬の満月と一緒に。
Charonのドラム&元ギタリストによるメロディックブラックWolfheartは夜に佇む狼をうたう。
Toxic Holocaustの狼(というより野犬?)はどうやら墓場から来たらしい。
AlcestやPeste Noireでお馴染Neigeが入る前は狼がこんなにいました。
さらにNightwishの「Dark Passion Play」中の7 Days to the Wolvesでも狼への愛が謳われています。またドイツの古巣パワーメタルバンドAxxisの「The Big Thrill」では、人狼そのものを一曲で表しています。Megadethの「Cyptic Writings」は狼男ならぬ狼女をすべての邪悪なるものの母として直情的に歌い上げていますね。
Winterwolfの「Cycle of the Werewolf」では狼皮のマスクにされてしまったり、ブラックメタルの始祖Venomの「Cry Wolf」では命を刈り取る死神として崇められるなど、狼の捉え方もバンドによってさまざまですが、多くの場合は雪や森、満月、そして人間の内面に潜む孤独や怒りといった感情とともに用いられています。
『その他:おもしろ編』(ジャケットのみ)
暇つぶしにちょっとだけ。
ヒツジさん
おサルさん
ライオンの捕食シーン
キャプテン(死人)
たまねぎ星人
一年間寝てない人
三年間風呂入ってない変態
まあ、適当にこんなところで終わりにしましょう。
以上、本日のうみ言:
「ヘヴィメタルの題材に触れよう」
アルバムや曲の背景にあるモチーフや物語などを知っておくと、聴く楽しみが倍増します。ヘヴィメタルの題材となるものは他にもありますが、ひとまずこの三つを知っておくとヘヴィメタルの音楽や個々の楽器を聴く際のイメージが浮かびやすいと思います。
そのほかについては、また次回。
‥では、おやすみなさい。
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